再生可能エネルギーの設備容量、2020年に世界全体で260GW以上増加

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は4月5日、世界全体の再生可能エネルギーの設備容量が2020年に260GW以上増加、新型コロナウイルス感染症の流行にもかかわらず、それまでの予想を上回るとともに記録を更新したと発表した。

同機関が公開した報告書「再生可能エネルギー設備容量の統計 2021年版」として公開したデータによるもので、再エネの伸び率は前年比で50%近く上回ったとしている。

再エネのシェア増加には、欧州や北米、そして今回初となるユーラシア(アルメニア、アゼルバイジャン、ジョージア、ロシア、トルコ)において石炭などの化石燃料による発電所の廃炉がかなり寄与しているという。

2020年に増加した化石燃料は2019年の64GWから60GWに下落し、化石燃料の拡大に歯止めがかかりつつある傾向がはっきりと示された。

IRENAのフランチェスコ・ラ・カメラ事務局長は、次のように述べている:

2020年には困難と不確定性が増加したが、それにもかかわらず再生可能エネルギーがより強靭でクリーンかつ公正な未来をもたらすという見通しがはっきりと示された。

コストは下落、クリーンテック市場は成長しており、エネルギー転換のメリットはかつてないほど鮮明となっている。このトレンドは止めようがないが、今回の報告書が示すように課題もまだ多い。気温の上昇を1.5℃以内に留め2050年の目標を達成するためには、相当な額のエネルギー関連投資をエネルギー転換に振り向けなければならない。

再エネ設備容量の増加は10.3%と、年次成長率は長期的なゆるやかなトレンドを凌駕した。

2020年末の時点で再エネ電源の設備容量は2799GWとなった。その内訳をみると、水力が1211GWで最大となったが、太陽光と風力が急成長しつつある。これら二種の再エネでは、新設容量がそれぞれ127GWと111GWずつ増加し、再エネによる容量増加の大半を占めた。

国別では、中国と米国が二大成長市場となっており、両国で136GWを占めた。そのうち、風力が72GW、太陽光が49GWである。

米国は2020年に前年比で80%近くの増加となる29GWの再エネを増設した。内訳は太陽光が15GW、風力が14GWである。

風力は2019年の58GWからほぼ倍増となる111GWの設備容量増加となった。

太陽光はアジアの市場成長がけん引する形で風力に並ぶ水準まで増加した。国別では、中国の49GWを筆頭に、米国15GW、ベトナム11GW、日本5GWとなった。

【IRENAによるプロモーション動画】

In 2020, the world installed more new renewable energy than ever

出典:World Adds Record New Renewable Energy Capacity in 2020, IRENA Press Release